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写真家の大杉隼平が話したいと思った方々と話しをしていきます。 対談って言葉を使っていますが、話しをしたい。 それが素直な気持ちであり、相手をより知れたらいいなと。 年齢、性別、職業問わず少しずつ話しをしていく場所です。 No.1 大杉隼平(写真家)×大塚ヒロタ(俳優) 大杉 初回のゲストは親友であり、俳優の大塚ヒロタです。 ヒロタ こうやって話すのってはじめてだよね。 大杉 ある意味恥ずかしさがあるけど、だからこそこうやって話したいと思ってお願いしました。 ヒロタ 隼平と最初に会ったのは10年前だったよね。映画館のバイトで。一緒に働いてた期間は短かったけど、よくサッカー、フットサルしたよね。 大杉 よくしましたね(笑)その後、ヒロタはNYに演劇の勉強に行って会わない時期があったのに距離感は凄く近かった気がする。なんでNYに決めたんですか? ヒロタ 卒業旅行で1人旅をして、色々回って自分の感覚が合う場所がNYだったんだと思う。NYに行って、まず語学学校に行って、英語が落ち着いてから演劇学校に入ったんだよね。オーディションは実技と面接だったかな。 大杉 一緒ですね。俺もロンドンに行って、大学に入る為に語学学校に行って、ポートフォリオを作って、面接を受けました。ただ、なぜロンドンだったかって考えると、明確な答えはないんですよね。ただSamuel Johnsonの「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生が与えうるもの全てがあるから。」って言葉は若い自分に響きました。 ヒロタ 確かに隼平はアジアの国々に写真を撮りに行ったりしてたけど、ヨーロッパの話しはしてなかったもんね。俺はアメリカがコメディーにしても、いい意味でくだらなさがあってパワフルさを感じたんだよね。当時はなにをやっていくかに迷いがあったかも知れないけど、海外で経験を積む事で、揺るぎなく俳優をやり続けていく気持ちが生まれた。 大杉 海外でしか経験できないものはあって、自分探しじゃないけど、向き合って考えることができた時間だったなと思ってます。そもそも俳優になろうと思ったきっかけはなんだったんですか? ヒロタ 目立ちたがり屋だった(笑)よく映画は観てたし、この仕事に関わるなら演じる方だなって思ったんだ。 大杉 俺はヒロタの情熱とか、物事を組み立てて考えるところを凄く尊敬している。ちゃんと自分を持ってて。保ってる。 ヒロタ 俺と隼平は価値観が似てるよね。ひと言で言うと俺達は単純でバカ。だけど真面目な部分もあって、年下だけど隼平の事は尊敬してる。なかなかいないもん年下で。 大杉 後はフットワークの軽さ。これだけはお互い絶対ですね。 ヒロタ 確かに(笑)後は隼平は自分の両親をちゃんと尊敬してるよね。尊敬出来る両親がいるってのはとても大切だし幸運だと思う。その影響も絶対あって根底の部分が素直だよね。 大杉 素直過ぎるのかもしれないけど(笑)最近ヒロタもカメラを買って、フィルムで撮ってる。それって表現者として凄くプラスになると思います。撮られる立場であっても、撮る側として表現する事を知る事で、また何か学ぶものはあるはずです。 ヒロタ 完全にはまってます。大杉先生の影響もあって。暗室でプリントもしたし。とにかく楽しい。Carl Zeiss のレンズ欲しいな(笑) 大杉 その探究心は関心します(笑)30歳になって挑戦したいことはありますか? ヒロタ 駆け出しの役者としては仕事はさせてもらってると思ってる。 大杉 確かに。仕事してる方ですよ絶対。 ヒロタ でも満足はしてないし、いつももっと頑張らなきゃと思ってる。今の事務所(ZACCO)に入った時に、「3年以内に大河ドラマに出る」って事を具体的な目標として設定したから、それが目標かな。後は2007年にアメリカでワンマンショーをやって、イタリアでもコメディーの勉強をしたから、それをやりたい気持ちはあるな。 大杉 そのポスター俺が撮った(笑) ヒロタ 確かに。懐かしいな。 大杉 俺もロンドンで写真展をやってから、帰国して写真展をやったのが2007年だった。今年は絶対にやりたいと思っています。やっぱり表現者として、特別な場所だと思います。親父(大杉漣)の話しを少しすると、映画もドラマも意識して見ない。けど、舞台上のあの人は圧倒的だと思います。小さい頃観てた沈黙劇も鮮明に覚えています。よく寝なかったな。今なら寝そう(笑) ヒロタ 舞台の生のリアクション、感覚は違うよね。 大杉 本当に舞台は特別です。ワンマンショーのポスターまた撮らせて下さいね(笑) ヒロタ 成長した姿を見せたいよね。やります。 大杉 今年、俺は映像を撮りたいなと思ってます。実はもうシナリオもできてて。 ヒロタ 知ってる(笑)マネージャーも隼平が映像を撮りたがってるって言ってた。 大杉 ただ映像に関しては、無知で。その無知な部分を活かせられたらなと思う。例えば学校で何年も勉強するより、現場で仕事をする方が圧倒的に勉強になるし、経験として残るとものだなと思います。ただ知る事で失われるものもある気がして。知らないよさもあるなと。 ヒロタ 確かにそれはあるよね。せっかくなんの縛りもないなら、思ったままにやって欲しいと思うな。 大杉 きっとその根底には写真があるし、そこだけは変わらないかな。写真業界もこの何年かで激動の時代を過ごしている。そこに居れたことはある意味貴重だなと思う。でもやらないことと、できないことは違うと思う。いくつも選択肢はあった方がいい。人との距離感とか。関わり方とか。仕事も遊びも恋もやっぱり本気の方がいい。そのパワーって半端ない。 ヒロタ 確かに恋した時のパワーは半端ない(笑)役者は凄く不安定だし、保証も無いけど、それを差し引いても凄く魅力的。自分ってものをいかに面白い存在にするかってのが大切だなと思う。一生懸命やると何かを得る。熱意を伝える事は大切だと思う。 大杉 熱意を恥ずかしがらずに伝える事。とても難しいけど大事ですね。 ヒロタ 人生って点取りゲームになりがちなんだよね。一般的な視点から観たいい点数をとることに気をとられちゃって、自分がやりたいことを見失っちゃうのはもったいないと思う。とにかく一生懸命今ベストを尽くす事が大切。一生懸命が嫌いな人はいないと思う。 大杉 なにかを続ける事は、辞める事より時として難しい。いつまで経っても悩んだり、へこんだり、失敗して。 ちゃんとその責任は自分自身で背負いたい。 ヒロタ 何をするにも納得してやる事が重要だと思う。その時点で。自分を納得させると真っ直ぐ生きやすい。 大杉 失敗は学びますね。ある仕事で撮りなおしになったことがあるんですよ。雑誌で写真を見て、アートディレクターの方が大抜擢してくれた仕事で。あの時はやっぱり落ち込んだし、考えた。ちゃんと自分自身と向き合えた部分もあったなと思う。 ヒロタ ピンチはチャンスだよね。順風満帆にいってると成長するってなかなかない。へこんだ時が1番学ぶよね。 大杉 そこでへこむか乗り越えられるかが大事ですね。だからあの失敗は結果としてプラスに受け止めている。その仕事をいつかまた絶対やりたいって気持ちは強く持ってます。 ヒロタ そのポジティプさは大切で、自分の生き方にもあってると思う。そして、その隼平の大胆さは凄いいいとこだと思う。社会と適合するバランスは大切だけど、あまりにもチャートのグラフが平均点なのはつまらないと思う。隼平はかたよってるでしょ(笑)それは表現者として大事な要素だよね。 大杉 かなりかたよってますね(笑)チャートのグラフで表せないかも。 ヒロタ 自分のコンプレックスは平均的なチャートの持ち主だって事 。気付くとオール4に向かってる。周りはどう思うかは分からないけど、無難な答えを出してしまう。隼平を見てると面白い。好きな事への熱意は凄いよね。 大杉 平均を出せることって凄いなと思う部分でもあります。それは演じる中で求められる要素でもあるだろうし。お互いに自分にない部分を尊敬したり、面白いと思える部分がある関係っていいなと思います。これからがとても不安であり楽しみです。だからこそ1つ1つを大切に、乗り越えていこうと思ってます。 対談を終えて 大杉隼平 なぜこの対談をヒロタとしたいと思ったか。その答えを改めて再確認した気がする。ここにもまた日々、悩み、失敗して一生懸命な2人がいる。同世代と変わらない葛藤を持ち続けている。だけど、ヒロタと出会ってこうやって話す事で少しだけ前に進めた。いや進もうと感じた、深謝 大塚ヒロタ まず第一回の相手に選んで下さいましてありがとうございました。出会って10年目にこうして話す機会が持てて、普段とは違う空気がとても新鮮でした。まだ無名な大塚ヒロタですが、10年後また大杉隼平と違った形でもこの様な場を持てたら嬉しいです。その時はお互いもっと成長しているはず、でも中身は間違いなく「単純でバカ」だと思う。 大塚ヒロタ 大学卒業後アメリカとイタリアで合計6年単身演劇修行。 日米伊で舞台を中心に活動後2008年に帰国、現事務所所属を機に映像作品にも活動の幅を広げる。 #
by shumpeiohsugi
| 2011-02-16 19:43
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